市販の丸鋸で木材を切断しているとき、
「騒音が大きい」と感じることはありますか?
本記事では、騒音を抑えたテーブルソー用の丸鋸を
自作する方法を解説しています。
「騒音を抑えて木材を切断したい」という方は、
是非本記事をご覧ください。
前回、ブラシレスDCモーターを搭載した丸鋸の作製が完了しました。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
今回は、「筐体の作製」から「電気系統の加工」までを行っていきます。
本製作で行った「工程・寸法」、「材料」などは記事に載しています。
画像を踏まえて解説していますので、自作を検討される方は参考にしてみてください。
筐体作製
ミニテーブルソーの筐体を作製していきますが、
今回は「アルミフレームに木板を取り付ける設計」でいきます。
これによって、「追加工」や「改造等」の余地を残しておきます。
[使用した材]
[骨組用]
⑯ アルミフレーム : 「2020、450mm」 6本
⑰ アルミフレーム : 「2020、150mm」 4本
⑱ アルミアングル: 16個
⑲ tナット :「M4」 72個
まずは、アルミフレーム⑯⑰で枠を組みます(下画像)。
(※ちなみに、画像の左右方向が鋸刃の進行方向です。)
[使用した材]
[覆板用]
⑳ ベニヤ板5.5mm :「18cm × 51cm」 2枚
(※19cmにしておくほうがよかったです)
㉑ MDF9mm :「450mm × 17cm」 2枚
㉒ MDF9mm :「450mm × 51cm」 1枚
[天板用]
㉓ ベニヤ板9mm :「450mm × 51cm」 1枚
続いて、材⑳~㉓にフレーム取付用の穴あけ加工を施します。
「⑳左右 / ㉑手前、奥 / ㉒底面 / ㉓天板」に固定します。
また、材㉑には、シャフト・ベアリング用の
穴もあけておきます(下画像)。
そして、⑳板をアルミフレームにねじ止めします(下画像参考)。
木板は、アルミフレームの外側に固定していきます。
[左右の板↓]
[底面の板↓]
スライド機構の導入
板の取り付けが完了したら、丸鋸のスライド機構を組み込んでいきます。
[使用した材]
㉔ ステンレスパイプ :「φ16、51cm」 2本
[自動切断機構用]
㉕ 木片 :「3cm × 3cm」 1個
㉖ 鬼目ナット :「M10」 1個
㉗ 長ねじ :「M10、60cm」 1本
まずは、シャフト保持板に
モーター取付穴をあけます(下画像)。
その後、㉔ステンレスパイプと
丸鋸を筐体に組み込み(下画像参照)、
㉕木片に㉖鬼目ナットを埋め込み、
㉗長ねじをベアリングに通した状態で木片を丸鋸に接着します(下画像)。
電気系統の加工
次に、丸鋸の電動化を行っていきます。
これによって、材の自動切断機能を組み込みます。
[使用した材]
[自動切断用]
㉘ 775モーター :「24V、3000rpm」
㉙ 電線 :「赤黒30cm、白黄50cm」
㉚ 角材24mm :「45mm」 2本
㉛ 3路スイッチ : 2個
㉜ 4路スイッチ : 1個
㉝ 銅線 :「φ2、長さ数cm」 4本
㉞ 電池ボックス :「8本用」 1個
㉟ コントローラー : 1個
㊱ 木板 : 1枚
まずは、㉘モーターと㉛3路スイッチに㉙電線を接続します(下画像)。
(※3路スイッチは銅線を通して、4路スイッチに接続します。)
そして、㉚角材に3路スイッチを接着剤で固定して、
筐体の基板に接着剤で固定します。(下画像)。
さらに、㉜4路スイッチに㉝銅線を差し込み、
筐体側板に取り付けた後、㉜電線を接続します(下画像赤枠部分)。
(※銅線は両端の3路スイッチに接続していきます。)
次に、筐体側板に配線用の穴をあけて、
「4路スイッチ・㉞電池ボックス・㉟コントローラー」に接続します(下画像)。
続いて、㊱木板を丸鋸の基板に接着剤で固定します(下画像)。
(※3路スイッチを押すことのできる場所に配置します)
[使用した材]
[ブラシレスDCモーター用]
㊲ 電線 :「赤黒青 1m / 18AWG」
㊳ ESC :「2-4リポ BEC 5V/2A」 1個
㊴ コントローラー : 1個
ブラシレスDCモーターの線を㊲電線で延長して、
㊳ESC(下画像赤枠部分)に接続し、筐体に接着剤で固定します。
また、ESCの端子を㊴コントローラーにつなぎ、
筐体に接着剤で固定します(下画像青枠部分)。
[使用した材]
[自動切断用]
㊵ アルミプーリー:「内径5mm、外径30mm」 1個
㊶ アルミプーリー:「内径10mm、外径20mm」 1個
㊷ Oリング :「φ5.7、P-80」 1輪
最後に、㊵㊶アルミプーリーを取り付けて、
㊷Oリングを掛けます(下画像)。
(※Oリングは、ポリウレタンベルトの代用です)
仕上げに、自動切断機構が完成したら、
試し運転をして正常に機能するかを確認します。
① 電池ボックスをONにして、コントローラーの点灯を確認
② コントローラーのスイッチを入れて、つまみを回す
③ モーターの回転を確認
④ 3路スイッチを押す ⇒ モーターの停止を確認
⑤ 停止状態で4路スイッチを押す ⇒ 動作を確認
次回
次回、「天板加工」から完成までいきたいと思います。
また、性能測定を行い、実用性を見ていきます。
使用した製品
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選びの参考にしてみて下さい。
[① tナット:アルミフレーム骨格の組立に使用]
[② 3路スイッチ / 4路スイッチ:自動切断機構用]
[③ 銅線 / 鬼目ナット:自動切断機構用]
銅線は、「4路スイッチに差し込んで使用」します。
銅線-電線を介して3路スイッチと接続していきます。
鬼目ナットは、ホームセンターで購入できない場合があります。
そのときは、ネット通販で入手しましょう。
[④ DCモーターコントローラー:自動切断機構用]
このコントローラーは、「正転と逆転の選択が可能」ですので、
鋸刃の昇降を担うのに適した部品です。
また、通電時には赤灯で知らせてくれます。
[⑤ 電池ボックス:自動切断機構のモーター用電源]
1.5Vの乾電池を8本使用すれば、12Vでの出力が得られます。
なお、昇降における「消費電力は7W(12V / 0.6A)程度」でした。
[⑥ ESC :ブラシレスモーター用]
ESCは30Aのものを使用しました。
この規格から「2-4リポ = 12V」に対応するので、採用しました。
また、電源を「12V / 30A」のスイッチング電源へと増強した際に、
対応できることも視野に入れて選定しました。
[⑦ コントローラー :ブラシレスモーター用]
コントローラーは左右の2種類あります。
基本的な機能は同じですが、質感に大きな差があります。
右の製品が、筐体が金属製であるため、扱いやすいかと思います。
左の製品は、筐体が「ペラペラ・基板がむき出し」ですので、
「耐久性と扱いにくさ」に不満を感じました。
[モノタロウで購入したもの]
・アルミフレーム(SUS製)
・アルミアングル(単価80円程)
・ポリウレタンベルト(φ5、周長225mm)
モノタロウでは主に、アルミフレームの入手先として重宝します。
メーカーが「SUS製」と「ACE製」がありましたが、
正直なところ、製品の質の差が分かりませんでした。
ですので、私は、価格の安いSUS製のアルミフレームを選んでいます。
[aliexpressで購入したもの]
・アルミプーリー
・ブラシレスDCモーター
aliexpressは、amazonよりも価格が安い傾向にあります。
しかし、その代償として納期が2週間程度かかるので、
計画的に購入しましょう。