市販の丸鋸で木材を切断しているとき、
「騒音が大きい」と感じることはありますか?
本記事では、騒音を抑えたスライドソー(72dB)を
自作する方法を解説しています。
「騒音を抑えて木材を切断したい」という方は、
是非本記事をご覧ください。
また、「静音丸鋸の作製方法」を以下の記事に載せています。
この丸鋸によって以下の恩恵が得られるかもしれません。
・近隣への騒音が緩和される
・作業できる時間帯が広がる
本作品 (1-①) の説明
本作品の仕様は、以下の通りです。
[騒音]
「56~72dB」(丸鋸から1m離れた地点)
[性能] 鋸刃径:100mm
切断深さ:28mm
切断長さ:30cm程度
[サイズ]
全長:47cm
スライド機構導入
まずは、スライド機構に必要なシャフト保持板を
作製していきます。
[使用した材]
① リニアブッシュ :「φ16用、長さ85mm」 2個
② ステンレスパイプ :「φ16、長さ470mm」 2本
③ ラワン材14mm厚 :「150mm × 30cm」 2枚
まず始めに、丸鋸に「①②リニアブッシュ / パイプ」を通して、
パイプ同士の間隔を測ります(今回は234mm)。
(※パイプの直径16を足して「250mm」がシャフト穴の間隔です。)
[リニアブッシュ]
長さが8cmある「ロングタイプ」を使用しました。
丸鋸の幅よりも長く、荷重を分散しやすいことから、
「切断時の精度が向上する」と考えて採用しました。
そして、③ラワン材にシャフト用の穴をあけます(下画像)。
基板作製
続いて、基板の作製を行いますが、
トリマーを使わずにtスロットトラックを取付けます。
[使用した材]
④ ベニヤ板9mm :「300mm × 450mm」 1枚
⑤ ベニヤ板12mm :「50mm × 450mm」 2枚
⑥ ベニヤ板12mm :「150mm × 450mm」 1枚
⑦ tスロットトラック :「19mm規格、45cm」 2本
④ベニヤ板の側面に①ラワン材を接着し、
「丸鋸 / パイプ」を装着します(下画像参照)。
(※パイプは後に切り取っています。)
その後、⑤⑥ベニヤ板を接着剤で固定します(下画像)。
このとき、⑦tスロットトラックを挟んでおきます。
(※鋸刃用の溝を1cm程度あけています)
ガイドレール取付
[使用した材]
⑧ アルミフレーム2040:「長さ22cm」 1本
⑨ tナットM4 : 4個
基板に⑧アルミフレーム取付穴をあけて、
⑨tナットを取り付けます(下画像)。
そして、直角がでる位置にフレームを固定します(下画像)。
(※赤枠部分に板を挟むことで、直角調整が容易になります。)
補助具の作製
材抑えの作製
[使用した材]
⑩ アルミ片3mm :「15mm幅 × 14mm」 2個
⑪ アルミ平板3mm:「20mm × 100mm」 2枚
⑫ 寸切ステン :「M6、30mm」 2本
⑩アルミ片に「穴あけ+M6タップ加工」を施して、
tスロットトラックに入れます(下画像青枠)。
そして、⑪アルミ平板を曲げ加工して、
⑫寸切りステンを差し込みます。
(※材を抑えるときは、蝶ナットを締めます)
ストッパーの作製
[使用した材]
⑬ MDF9mm :「25mm × 30mm」 1枚
⑭ ローレットボルト:「M4、長さ15mm」 1個
⑮ アルミ平板3mm :「長さ15cm程度」 4本
⑬MDFに取付穴φ6をあけて(下画像)、
⑭ローレットボルトでフレームに固定します。
仕上げに、⑮アルミ平板をビスで固定して、
シャフト保持板を補強しておきます(下画像赤枠)。
性能試験
丸鋸本体が完成したので、「静音性能」をみていきます。
(※バッテリーの導入を考慮した電圧としています)
[騒音・振動]
10.8V (2700rpm) : (0m 64dB, 2.4 / 1m 61dB, 1.2)
14.4V (3600rpm) : (0m 74dB, 4.1 / 1m 67dB, 1.4)
18V (4500rpm) : (0m 78dB, 3.3 / 1m 72dB, 1.6)
[性能] 鋸刃径:100mm
切断深さ:28mm
切断長さ:30cm程度
使用した部品
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選定・自作の参考にしてみて下さい。
[Amazonで購入したもの]
① リニアブッシュφ16
8cmあるので、荷重を4隅に分散しやすくなります。
また、2個のみ使用するので「取付穴加工の労力削減」に繋がります。
② tスロットトラック:19mm規格
トリマー加工ができない方におすすめで、
ビスで固定すれば直ぐに使えるため、「労力削減」に繋がります。
[ホームセンターで購入したもの]
③ オールステンレスパイプφ16
「ステンレス巻き」のパイプだと継ぎ目が干渉し、
スライドに支障をきたす可能性があります。
価格面では不利ですが、実物を見て購入する方が安心です。
(※下の画像のパイプを使用しました。)
④⑫ アルミ平板 / ⑤ 寸切りステン
ホールドダウンクランプとして使用します。
アルミ板には高さ調整として、「穴あけ / タップ」加工を行います。