テーブルソー

静音ミニテーブルソー (~65dB) を自作する 3

 

市販の丸鋸で木材を切断しているとき、

騒音が大きい」と感じることはありますか?

 

騒音を抑えた電動工具として、「ミニテーブルソー」があります。

しかし、市販品では以下の弱点があります。

・切断できる高さが3cm未満

・鋸刃の内径が20mmでない

・刃の昇降が不便である

・天板がやや狭い

 

そこで本記事では、以下の対策を施した静音ミニテーブルソー(65dB

を自作する方法を解説しています。

・内径20mmの鋸刃を装着

⇒ 鋸刃の選択の幅が広がる

⇒ 切断できる高さが3cm以上にできる

 

・昇降ハンドルを装着

⇒ 操作性の向上

 

・天板は好みの広さで取り付け

⇒ 作業環境に応じて設定可能

⇒ 天板取替で変更も可能

 

騒音を抑えて木材を切断したい」という方は、

是非本記事をご覧ください。

 

 

また、本作品に用いた「静音丸鋸:ミニテーブルソー3」の製作方法は、

以下の記事からご覧ください。

https://mogusann.com/2023/02/24/quite-circular-saw-%e2%91%a1/?preview_id=3958&preview_nonce=e4649e7b46&_thumbnail_id=-1&preview=true

 

なお、「材料・部品」に関しては、記事の最後に記していますので、

目次をクリックしてご覧下さい。

 

 

本作品 (3) の性能

 

本作品 (3)の性能は、以下のとおりです。

[性能]

・騒音「~65dB」(完成状態での騒音値 : 1m地点)

・切断高さ 34mm (125mm径)

 

 

筐体作製

 

[使用した材]

⑪ MDF9mm    : 「450mm × 450mm」    1枚

⑫ アルミフレーム: 「2020, 長さ390mm」  8本

⑬ アルミフレーム: 「2020, 長さ200mm」  4本

 

まずは、⑪MDFにフレーム取付用の穴をあけて、

⑫⑬アルミフレームを組み立てます(下画像)。

 

[使用した材]

⑭ MDF9mm   : 「200mm × 430mm」     2枚

⑮ ベアリング    : 「内径10mm, 外径26mm」 2個

⑯ MDF9mm   : 「200mm × 450mm」    2枚

 

続いて、⑭⑯MDFにフレーム/ベアリング用の穴をあけて、

⑮ベアリングを接着剤で固定します(下画像)。

 

仕上げに、⑭⑯MDFをアルミフレームに取り付ければ

筐体作製は完了です(下画像)。

 

 

昇降機構の導入①:部品作製

 

[使用した材]

⑰ 木片        :「25mm × 30mm」   5個

⑱ 蝶番        :「25mm × 30mm」   4個

⑲ アルミ板5mm:「25mm × 100mm」  1枚

⑳ アルミ角材     :「25mm × 30mm」   1個

 

まず、⑰木片/⑱蝶番を組み合わせて、

以下の部品を「2個」作製して(下画像)、

丸鋸に連結します(下画像赤枠)。

 

次に、以下の加工を施します(下画像)。

⑱蝶番の取り付け穴をφ6に拡張します(青枠)。

⑲アルミ板の両端にM4のタップ加工を施します(赤枠)。

⑳アルミ角材にM4とM10のタップ加工を施します(赤枠/黒枠)。

 

⑰木片/⑱蝶番/⑲アルミ板/⑳アルミ角材を組み合わせて、

以下の部品をつくります(下画像)。

 

 

天板まわりの加工

 

[使用した材]

⑪ MDF9mm :「450mm × 450mm」 1枚

 

丸鋸を⑪MDFに連結して(下画像)、

筐体の上面にビス留めします。

 

 

昇降機構の導入②:組み立て

 

[使用した材]

㉑ 全ネジM10   :「長さ50cm程度」 1本

㉒ 昇降用部品

 

上下反転させた筐体のベアリングに㉑全ネジを通して、

㉒昇降部品の木片を丸鋸に接着します(下画像赤枠)。

 

そして、ダブルナットで昇降範囲の

始点終点を決定して(下画像青枠)、

 

筐体側面に電線用の穴をあけます(下画像赤枠)。

 

その後、丸鋸を駆動させて、

天板に切り込みを入れます(下画像)。

 

仕上げに、全ネジを程よい長さに切断して、

昇降用ハンドルを取り付けます(下画像)。

 

 

アルミフェンスの導入

 

ここからは、材を「直角・同寸法」で

切断するための治具を作製していきます。

 

今回は、アルミフェンス方式を採用しました。

木材切断専用の治具ですが、次の利点があります。

・切断できる材の大きさの限界幅が広い

・直角の調整が比較的簡単

 

[使用した材]

㉓ アルミ平板3mm厚   :「長さ5cm程度」   2本

㉔ アルミフレーム2040 :「長さ600mm」   1本

㉕ アルミフレーム2020 :「長さ600mm」   1本

 

まずは、アルミ平板に穴をあけて、

㉔㉕アルミフレームを互いに連結します(下画像)。

 

その後、アルミフレームが鋸刃と平行になるように、

アルミ平板の角度を調整し、天板に取り付けます(下画像)。

 

 

性能試験

 

最後に本作品の性能を測定したところ、

以下の結果となりました。

(※バッテリーの導入を考慮した電圧設定にしています)

[騒音・振動]

鋸刃位置 最大(34mm) 

10.8V  : (0m 60dB・1.9 / 1m 59dB・0.9)

14.4V  : (0m 64dB・1.9 / 1m 58dB・1.0)

18V   : (0m 66dB・1.9 / 1m 65dB・1.1)

 

鋸刃位置 半分(17mm) 

10.8V  : (0m 59dB・2.8 / 1m 59dB・0.9)

14.4V  : (0m 67dB・2.7 / 1m 57dB・1.0)

18V   : (0m 67dB・2.1 / 1m 63dB・1.2)

 

「筐体の拡大」と「アルミフレーム骨格」によって、

静音・防振性能が向上(~65dB)しました。

 

騒音値・振動値が十分に抑えられているため、

満足のできる出来に仕上がりました。

 

 

使用した部品

 

最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。

部品選定・自作の参考にしてみて下さい。

 

[楽天市場で購入したもの]

① ベアリング

筐体の昇降機構用の部品として使用します。

内径10mmであれば、丸鋸のものと統一できます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ベアリング NMB 6000ZZ 内径10mm
価格:176円(税込、送料別) (2023/1/11時点)

楽天で購入

 

 

[ホームセンターで購入したもの]

② 蝶番

丸鋸の回転機構用の部品として使用します。

取り付けがしやすい上に、ガタが少ないのでおすすめです。

(※下画像はイメージです。)

 

 

[モノタロウで購入したもの]

③ アルミフレーム

アルミフェンスに使用します。

「作製の容易さ」と「直角調整のしやすさ」が利点で、

素早く治具を用意したい方にオススメです。

 

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