市販のトリマーを使用しているとき、
「騒音が大きい」と感じることはありますか?
回転数が数万rpmという高回転であるため、
大きな騒音が発生します。
そこで本記事では、静音トリマー(~60dB)
を自作する方法を紹介します。
・回転数を7500rpm(18V)に設定
⇒ 騒音の発生を抑制
・送りネジ + リニアブッシュを搭載
⇒ 溝堀加工時の深さを設定可能
「トリマーの騒音が気になる」という方は、
是非本記事をご覧ください。
なお、「材料・部品」に関しては、記事の最後に記していますので、
目次をクリックしてご覧下さい。
本作品 (1) の性能
本作品 (1)の性能は、以下のとおりです。
[騒音性能]
・騒音「~60dB」(完成状態での騒音値 : 1m地点)
・振動「~1.3」 (完成状態での振動値 : 1m地点)
[大きさ]
・横幅:13cm
・奥行:13cm
・高さ:18cm
トリマー作製
[使用した材]
① MDF9mm :「60mm × 60mm」 1枚
② MDF9mm :「60mm × 145mm」 2枚
③ MDF9mm :「120mm × 145mm」 2枚
④ リニアブッシュ:「φ16用」 2個
まずは、①MDFに
モーター取付用の穴をあけます(下画像参照)。
そして、①②MDFを「H型」に接着して(下画像参照)、
ブッシュ取付用の穴をあけた③MDFに接着します(下画像)。
取り付け穴は、あとで上の位置(赤枠部分)へと変更しました。
仕上げに、④リニアブッシュを装着したら完了です。
昇降部の作製
[使用した材]
⑤ MDF9mm : 「130mm × 45mm」 2枚
⑥ MDF9mm : 「130mm × 170mm」 1枚
⑦ ベアリング :「内径10mm」 2個
まずは、⑤MDFに「パイプ用 / ベアリング用」の
穴をあけます(下画像)。
その後、⑦ベアリングを接着剤で固定してから、
⑤⑥MDFを接着剤で貼り合わせます(下画像)。
昇降機構の導入
[使用した材]
⑧ 角材18mm :「長さ30mm」 1個
⑨ 鬼目ナット :「M10」 1個
⑩ パイプφ16 :「長さ17cm」 2本
⑪ 全ネジ :「M10、22cm」 1本
また、⑧木片に⑨鬼目ナットを埋め込みます(下画像)。
そして、先ほど作製したMDFに、
⑩パイプ/⑪全ネジを接着します(下画像)。
※全ネジの両端をダブルナットで固定します(下画像赤枠)
続いて、トリマーのリニアブッシュをパイプに通し、
「トリマー」と「送りネジ用の木片」をビスで連結します(下画像赤枠部分)。
仕上げに、適当なハンドルを全ネジに取り付けます(下画像)。
基板作製
[使用した材]
⑫ MDF9mm :「130mm × 150mm」 1枚
⑬ モーター200W :「24V, 10000rpm」 1基
⑫MDFに穴をあけたら、接着剤で筐体に固定し、
⑬モーターを取り付けて、コレットチャックに
適当なビットを装着します(下画像)。
仕上げに、モーターに装着されている「冷却用ファン」を
外しておくことで、振動を大きく削減できます。
性能試験
最後に本作品の性能を測定したところ、
以下の結果となりました。
(※バッテリーの導入を考慮した電圧設定にしています)
[騒音・振動]
18.0V (7500rpm) : (0m 61dB・4.2 / 1m 60dB・1.3)
[掘削性能]
深さ3mmに設定して掘削したところ、
回転数の低下はありませんでした。
まとめ
本作品は、試作品程度の完成度であるものの、
「騒音性能」と「掘削性能」は十分でした。
しかし、全体のサイズが大きいため、
トリマーテーブルとの兼用を前提とする「設計・使用方法」になりそうです。
使用した部品
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選定・自作の参考にしてみて下さい。
[Amazonで購入したもの]
① リニアブッシュ
昇降機構を組むための部品です。
ロングタイプのものを使用し、ブッシュの使用個数を2個に抑えます。
[楽天市場で購入したもの]
② ベアリング
筐体の昇降機構用の部品として使用します。
内径10mmであれば、丸鋸のものと統一できます。
[ホームセンターで購入したもの]
③ オールステンレスパイプφ16
トリマーの昇降機構用の部品として使用します。
オールステンレスパイプであることに注意が必要で、
「ステンレス巻き」のものだと、ブッシュに通らない場合があります。
[Aliexpressで購入したもの]
④ スピンドルモーター
モーターはAmazonでも購入することができますが、
「価格」が倍ほどするので、Aliexpressでの購入がおすすめです。
(※納期は2週間程度かかります。)
モーターは「24Vで10000rpm」の仕様を購入しました。
実際は、18Vで使用するので回転数は落ちますが、十分な掘削性能でした。
(※コレットチャック等の部品が装備済みを購入しました。)