市販のトリマーを使用しているとき、
「騒音が大きい」と感じることはありますか?
回転数が数万rpmという高回転であるため、
大きな騒音が発生します。
そこで本記事では、静音トリマー(~57dB)
を自作する方法を紹介します。
・回転数を7500rpm(18V)に設定
⇒ 騒音の発生を抑制
・送りネジ + リニアブッシュを搭載
⇒ 溝堀加工時の深さを設定可能
「トリマーの騒音が気になる」という方は、
是非本記事をご覧ください。
なお、「材料・部品」に関しては、記事の最後に記していますので、
目次をクリックしてご覧下さい。
本作品 (2) の性能
本作品 (2)の性能は、以下のとおりです。
[騒音性能]
・騒音「~57dB」(完成状態での騒音値 : 1m地点)
・振動「~1.3」 (完成状態での振動値 : 1m地点)
[大きさ]
・横幅:14cm
・奥行:14cm
・高さ:22cm
トリマー作製
[使用した材]
① MDF9mm :「60mm × 60mm」 1枚
② MDF9mm :「60 × 90mm」 2枚
③ MDF9mm :「120 × 90mm」 1枚
④ リニアブッシュ:「φ16用」 2個
まずは、①MDFにモーター取付用の穴をあけて、
①②MDFを「U型」に接着します(下画像)。
そして、③MDFにブッシュ取付用の穴をあけて、
ブッシュを取り付けます(下画像)。
先ほど作製した①②MDFを接着します(下画像)。
昇降部の作製
[使用した材]
⑤ MDF9mm : 「130mm × 40mm」 2枚
⑥ MDF9mm : 「130mm × 170mm」 1枚
⑦ ベアリング :「内径10mm」 2個
まずは、⑤MDFにパイプ用の穴をあけます(下画像)。
その後、⑦ベアリングを装着してから、
⑤⑥MDFを接着します(下画像)。
昇降機構の導入
[使用した材]
⑧ 角材18mm :「長さ30mm」 1個
⑨ 鬼目ナット :「M10」 1個
⑩ パイプφ16 :「長さ17cm」 2本
⑪ 全ネジ :「M10、22cm」 1本
⑫ MDF5.5mm:「実寸合わせ」 2枚
また、⑧木片に⑨鬼目ナットを埋め込みます(下画像)。
そして、先ほど作製したMDFに、
⑩パイプ/⑪全ネジを接着します(下画像)。
続いて、パイプをブッシュに通して、
「送りネジ用の木片」と「モーター部」をビスで連結します(下画像赤枠部分)。
また、全ネジの両端をダブルナットで固定します(下画像青枠)。
仕上げに、適当なハンドルを全ネジに取り付けて、
⑫MDFを昇降部の側面に接着します(上画像)。
塗装
[使用した材]
⑫ サンディングシーラー
⑬ ラッカースプレー
⑭ ベアリング:「内径10mm」 2個
組み立てが完了したら、一度分解して、
MDFに⑫サンディングシーラーで下地処理します。
その後、⑬ラッカースプレーを吹き付けたら完了です(下画像)。
塗装が完了したら、
⑭ベアリングを接着剤で固定しておきます。
仕上げに、もう一度組み立てて、
トリマービットを装着したら完成です(下画像)。
性能試験
最後に本作品の性能を測定したところ、
以下の結果となりました。
(※バッテリーの導入を考慮した電圧設定にしています)
[騒音・振動]
10.8V (4300rpm) : (0m 60dB, 1.9 / 1m 51dB, 0.8)
14.4V (6000rpm) : (0m 68dB, 3.1 / 1m 57dB, 1.2)
18.0V (7500rpm) : (0m 75dB, 4.2 / 1m 56dB, 1.3)
使用した部品
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選定・自作の参考にしてみて下さい。
[Amazonで購入したもの]
① リニアブッシュ
昇降機構を組むための部品です。
ロングタイプのものを使用し、ブッシュの使用個数を2個に抑えます。
[楽天市場で購入したもの]
② ベアリング
筐体の昇降機構用の部品として使用します。
内径10mmであれば、丸鋸のものと統一できます。
[ホームセンターで購入したもの]
③ オールステンレスパイプφ16
トリマーの昇降機構用の部品として使用します。
オールステンレスパイプであることに注意が必要で、
「ステンレス巻き」のものだと、ブッシュに通らない場合があります。
[Aliexpressで購入したもの]
④ スピンドルモーター
モーターはAmazonでも購入することができますが、
「価格」が倍ほどするので、Aliexpressでの購入がおすすめです。
(※納期は2週間程度かかります。)
モーターは「24Vで10000rpm」の仕様を購入しました。
実際は、18Vで使用するので回転数は落ちますが、十分な掘削性能でした。
(※コレットチャック等の部品が装備済みを購入しました。)