ミニテーブルソーを購入しようと考えている方で、
以下の点が気になることはありますか?
・お気に入りの鋸刃が使えない
・天板部分が狭い
・同じサイズで繰り返し切断したい
本記事を読めば、上記の課題を克服した
「静音卓上テーブルソー(~67dB)」の作り方が分かります。
自身が満足できるテーブルソーをDIYしてみませんか?
・内径20mmの鋸刃を装着可能
⇒ 鋸刃の選択幅(種類、径)が広がる
・天板を「幅42cm × 奥行45cm」で設計
⇒ 天板部分を好きなサイズで製作可能!
・クロスカットスレッドの導入
⇒ アルミフェンスなので、反りによる直角精度の劣化がない
⇒ 安全に同じサイズで連続切断が可能
なお、「材料・部品」に関しては、記事の最後に記していますので、
目次をクリックしてご覧下さい。
本作品 (6) の性能
本作品 (6)の性能は、以下のとおりです。
[性能]
・騒音「~67dB」(完成状態での騒音値 : 1m地点)
・振動「~1.7」 (完成状態での振動値 : 1m地点)
・切断高さ 34m (アルミフェンス使用状態)
・切断高さ 29mm (クロスカットスレッド使用状態)
・切断長さ 450mm (クロスカットスレッド使用状態)
[比較対象]
※私が所有している市販品のミニテーブルソーは、
1m地点での騒音・振動が「80dB, 2.6」ほどです。
[本作品の大きさ]
・横幅:45cm
・奥行:50cm
・高さ:15.5cm
丸鋸作製
[使用した材]
① MDF9mm :「60mm × 135mm」 2枚
② MDF9mm :「60mm × 145mm」 2枚
③ ベアリング:「内径8mm、外径22mm」 2個
①MDFに穴あけ加工を施します(下画像)。
そして、①②MDFを接着剤で固定して(下画像)、
③ベアリングを接着剤で取り付けます。
[ベアリング用接着剤]
乾燥すると弾力のある状態になります。
メンテナンス時には、引き剥がすことが可能です。
伝動機構の導入
[使用した材]
④ MDF5.5mm :「150mm × 155mm」 1枚
⑤ モーター :「300W」 1基
⑥ 回転軸φ8 :「軸長150mm」 1本
⑦ セットカラー :「内径8mm」 2個
⑧ プーリー :「内径8mm、外径30mm」 2個
⑨ 丸ベルト :「径5mm、周長225mm」 1輪
⑩ MDF5.5mm :「60mm × 150mm」 1枚
MDF④を底面に接着し、各部品⑤~⑨を装着してから、
⑩MDFをビスで固定します(下画像赤枠)。
また、モーター線用の穴φ6をあけておきます(下画像青枠)。
なお、ここで使用している回転軸の製作方法については、
以下の記事で解説しています。
仕上げに、丸鋸の上面にアルミテープを貼り付けて、
防塵加工をしておきます(下画像参照)。
天板まわりの加工
[使用した材]
⑪ 木片 :「25mm × 30mm」 4個
⑫ 蝶番 :「25mm × 25mm」 2個
⑬ MDF9mm :「420mm × 450mm」 1枚
まずは、⑪木片/⑫蝶番を組み合わせます(下画像参照)。
続いて、⑬MDF(天板)の上に丸鋸を好きな位置にして、
先ほど作製した部品を接着して連結します(下画像)。
その後、天板に切り込みを入れます。
昇降機構の導入①:部品作製
[使用した材]
⑭ 木片 :「25mm × 30mm」 1個
⑮ 蝶番 :「25mm × 25mm」 2個
⑯ アルミ板5mm:「25mm × 85mm」 1枚
⑰ アルミ角材 :「25mm × 25mm」 1個
材に以下の加工を施します。
・⑭木片に⑮蝶番を取付(下画像:上の部品)
・⑯アルミ板の両端にM4のタップ加工(下画像:右の部品)
・⑰アルミ角材にM4とM10のタップ加工(下画像:左の部品)
これらの素材を組み合わせて、
以下の部品をつくります(下画像)。
[使用した材]
⑱ 木片 :「50mm × 55mm」 2個
⑲ ベアリング:「内径10mm、外径26mm」 1個
⑱木片に⑲ベアリング用の穴をあけて、
接着剤で「T字型」に固定します(下画像)。
筐体作製
[使用した材]
⑳ MDF9mm :「140mm × 380mm」 2枚
㉑ MDF9mm :「140mm × 450mm」 2枚
㉒ MDF5.5mm :「400mm × 450mm」 1枚
まずは、⑳MDFの1枚に穴をあけて(下画像)、
⑳-㉒MDFとT字ブロックを接着します(下画像)。
(※内1枚は最後にビスで固定します)
昇降機構の導入②:組み立て
[使用した材]
㉓ 全ネジM10 :「長さ25cm程度」 1本
㉔ シャフトカラー:「内径10mm」 2個
まずは、天板を筐体にビスで固定して、底面を上にします。
そして、ベアリングに㉓全ネジを通してから、
㉔シャフトカラーを装着します(下画像青枠)。
続いて、全ネジに「昇降部品」を通して、
木片部分を丸鋸の底面に接着します(上画像赤枠)。
仕上げに、㉑MDFに電線用の穴φ6をあけて、(下画像)
筐体にビス止めします。
そして、昇降用ハンドルを取り付けたら完了です(下画像)。
クロスカットスレッドの作成
[使用した材]
㉕ アルミアングル :「幅15mm、長さ500mm」 2本
㉖ アルミフレーム2040:「長さ220mm」 2本
㉗ アルミフレーム2020 : 「長さ450mm」 1本
㉘ MDF5.5mm :「450mm × 500mm」 1枚
㉙ ラワン材 :「幅14mm、長さ500mm」 1本
㉕アルミアングルに取付用穴をあけて、
㉕-㉗アルミ部品を連結します(下画像)。
(※鋸刃が通る部分は少しあけています。)
㉘MDFの裏目に取付用の穴をあけて(下画像赤枠青枠)、
アルミ部品を装着します。
続いて、㉙ラワン材を接着してから、
切り込みを入れます(下画像)。
(※後の角度調整のために、3回分ほどの幅の切り込みをいれます。)
仕上げに、アルミアングルを位置調整して、
鋸刃に対して垂直に進むように微調整します。
詳しい方法は以下の記事で解説しています。
性能試験
ミニテーブルソー本体が完成したので、
性能を測定したところ、以下の結果となりました。
(※バッテリーの導入を考慮した電圧設定にしています)
[騒音・振動]
鋸刃位置 最大(35mm)
10.8V (2700rpm) : (0m 65dB・1.9 / 1m 57dB・1.7)
14.4V (3600rpm) : (0m 70dB・2.2 / 1m 64dB・1.1)
18.0V (4500rpm) : (0m 73dB・3.6 / 1m 67dB・1.2)
鋸刃位置 半分(18mm)
10.8V (2700rpm) : (0m 62dB・3.3 / 1m 56dB・1.0)
14.4V (3600rpm) : (0m 75dB・4.6 / 1m 62dB・1.6)
18.0V (4500rpm) : (0m 73dB・4.3 / 1m 64dB・1.3)
使用した部品:一覧
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選定・自作の参考にしてみて下さい。
[Amazonで購入したもの]
①アルミ丸棒φ25
回転軸の作製には以下の2つを使用しています。
(※ただし、芯を出すためには旋盤加工が必要です)
②接着剤
使用箇所に応じて使い分けていきます。
左:「シャフト – アルミ丸棒」間での接着
右:「丸鋸(MDF) – ベアリング」間での接着
[Aliexpressで購入したもの]
③④スピンドルモーター / プーリー
「モーター / プーリー」はAmazonでも購入することができますが、
「価格」が倍ほどするので、Aliexpressでの購入がおすすめです。
(※納期は2週間程度かかります。)
アルミプーリーに関しては、丸ベルトに対応した品を購入できます。
Amazonでは、タイミングベルト用のものが多いので注意が必要です。
[楽天市場で購入したもの]
⑤ベアリング
「ベアリング10mm」は昇降用部品として使用します。
⑥チップソー
「神ノ牙」は切断時に生じる騒音を吸収する効果があるので、
静音性にこだわりたいという方にオススメです。
さらに、切削時の負荷が軽減されるチップが付いており、
より軽い手ごたえで切断できます。
[ホームセンターで購入したもの]
⑦蝶番
「蝶番」は丸鋸の昇降用部品として使用します。
少ないスペースで取付けができ、ガタが小さいのでおすすめです。
(※下画像は使用したものに近いものです。)
[モノタロウで購入したもの]
⑧シャフトφ8
「シャフト」の径8mmを15cmに切り取ることで、
回転軸2本分を製作できます。
⑨ベアリング
「ベアリング」は内径8mmを使用しています。
モーター軸と同じ径であるので、プーリーを共有できるため、
増速・減速を切り替えできます。
⑩アルミフレーム
「アルミフレーム」はガイドフレームに使います。
金属なので反りによる精度低下を抑えられます。
⑪丸ベルト
モノタロウでは、「エンドレスタイプの丸ベルト」があります。
長さは決まっていますが、接合する手間を省略できます。