ミニテーブルソーを購入しようと考えている方で、
以下の点が気になることはありますか?
・切断できる高さが30mmは欲しい!
・お気に入りの鋸刃を使いたい!
・天板がもう少し広いほうがいい!
・同じ長さで繰り返し切断したい!
・屋外でも加工できるバッテリー式が欲しい!
本記事を読めば、上記の課題を克服した
「蓄電池式静音テーブルソー(~67dB)」の作り方が分かります。
自身が満足できるテーブルソーをDIYしてみませんか?
・内径20mmの鋸刃を装着可能
⇒ 市販の鋸刃を使用可能
⇒ 切断高さを30mm確保できる(125mm径)
・天板を好きなサイズで設計可能
⇒ 頻繁に切断するサイズに合わせた製作が可能!
・クロスカットスレッドの導入
⇒ アルミ製のガイドフェンスなので、直角精度の劣化がない
⇒ キックバックを抑止でき、安全性が向上
⇒ ストッパーにより、同寸切断が可能
⇒ トリマーがなくてもクロスカットスレッドを作れる
・アルミフェンスの導入
⇒ 縦に長い材の切断が可能
⇒ クランプ機能の付与で、同寸切断が可能
本作品の性能
本作品の性能は、以下のとおりです。
蓄電池式にしたことで、持ち運びが可能になりました!
[性能]
・騒音「~67dB」 (完成状態での騒音値 : 1m地点)
・振動「0.9~1.0」(完成状態での振動値 : 1m地点)
・切断高さ 30mm (クロスカットスレッド使用状態)
・切断高さ 35.5mm (アルミフェンス使用状態)
[比較対象]
※私が所有している市販品のミニテーブルソーは、
1m地点での騒音・振動が「80dB, 2.6」ほどです。
[筐体の大きさ]
・横幅:38cm
・奥行:40cm
・高さ:16.5cm
丸鋸作製
①木材カット / 接着・塗装
[使用した材]
① MDF9mm :「70mm × 130mm」 2枚
② MDF9mm :「70mm × 160mm」 2枚
③ MDF5.5mm:「70mm × 150mm」 1枚
①MDFに穴をあけて、①-③MDFに
サンディングシーラーを塗ります(下画像)。
そして、①②MDFを接着して(下画像)、
①-③MDFを好みの色に塗装します。
(※③は後にビスで固定します。)
②部品組立
[使用した材]
④ ローラーガイド:「内径6mm、外径27mm」 2個
⑤ ベアリング :「内径10mm、外径26mm」 2個
⑥ 鬼目ナット :「M6、長さ13mm」 2個
④ローラーガイドに六角キャップを取り付けます(下画像)。
丸鋸に⑤ベアリング / ⑥鬼目ナットを埋め込み、
鬼目ナットに装着します。
[使用した材]
⑦ モーター :「300W」 1基
⑧ プーリー :「内径8mm、外径30mm」 1個
⑨ プーリー :「内径10mm、外径30mm」 1個
⑩ 回転軸φ10 :「軸長80mm」 1本
⑪ 丸ベルト :「径5mm、周長225mm」 1輪
⑫ シャフトカラー:「内径10mm」 2個
⑦-⑫各部品を丸鋸に取り付けます(下画像)。
なお、ここで使用している回転軸の製作方法については、
以下の記事で解説しています。
③仕上げ
[使用した材]
⑬ MDF5.5mm:「実寸合わせ」 1枚
⑭ アルミテープ
⑬MDFに下地処理と塗装を施した後、
丸鋸底面にビスで固定します。
仕上げに、丸鋸側面に電線用の穴φ6をあけて、
⑭アルミテープを貼りつけたら完了です(下画像)。
筐体作製
①部品作製
[使用した材]
⑮ MDF9mm :「60mm × 60cm」 2枚
⑯ ベアリング:「内径10mm、外径26mm」 1個
まずは、⑮MDFに穴をあけて、
⑯ベアリングを接着します(下画像参照)。
[使用した材]
⑰ 木片 :「25mm × 30mm」 5個
⑱ 蝶番 :「25mm × 25mm」 4個
⑲ アルミ板5mm:「25mm × 85mm」 1枚
⑳ アルミ角材 :「30mm × 30mm」 1個
材⑰-⑳に以下の加工を施します。
・⑰木片に⑱蝶番を取付(下画像:左の部品)
・⑲アルミ板の両端にM4のタップ加工(下画像:下の部品)
・⑳アルミ角材にM4とM10のタップ加工(下画像:上の部品)
以下のように組み立てます。
②側板加工
[使用した材]
㉑ MDF9mm:「145mm × 36cm」 2枚
㉒ MDF9mm:「145mm × 40cm」 2枚
㉓ ベアリング:「内径10mm、外径26mm」 1個
㉑MDFの1枚に㉓ベアリング用の穴をあけて、
接着剤で固定します(下画像)。
③組み立て / 塗装
[使用した材]
㉑ MDF9mm:「145mm × 36cm」 2枚
㉒ MDF9mm:「145mm × 40cm」 2枚
㉔ MDF9mm:「実寸合わせ」 1枚
㉔MDFの上に㉑MDF2枚 / ㉒MDF1枚を接着して、
T型ブロックを底面に接着します(下画像青枠)。
そして電線用の穴φ8(上画像赤枠)をあけて、
「下地処理+塗装」を施します(上画像)。
天板加工
①丸鋸取付
[使用した材]
㉕ MDF9mm:「42cm × 42cm」 1枚
天板に溝を掘ってから、「木片+蝶番」の部品を使い、
「丸鋸-㉕天板」を連結します。
天板を塗装し、丸鋸を装着します(下画像)。
②昇降機構導入
[使用した材]
㉖ 全ねじ :「M10、長さ20cm」 1本
㉗ シャフトカラー:「内径10mm」 2個
筐体に天板をビスで固定してから、
ベアリングに㉖全ねじを通して、
㉗シャフトカラーで固定します(下画像)。
そして、昇降部品を全ねじに装着して(上画像赤枠)、
丸鋸に連結します。
仕上げに、全ねじにハンドルを装着します(下画像)。
(※ホールソーで切り取った木片を使用しています)
治具作製
①アルミフェンス作成
[利点]
・容易に作成可能(部品組立のみ)
・天板よりも縦に長い材の切断に強い
[使用した材]
㉘ アルミフレーム :「2020、長さ45cm」 1本
㉙ アルミフレーム :「2020、長さ15cm」 2本
㉚ アルミブラケット: 4個
㉘㉙アルミフレームを㉚アルミブラケットで連結します(下画像)。
天板に装着して、試し切りを行いつつ、
角度調整をしたら完了です(下画像)。
②クロスカットスレッド作成
[利点]
・キックバック対策(安全性が向上)
・角材などの横に長い材の切断に強い
[使用した材]
㉛ アルミバー3mm :「幅15mm、長さ35cm」 2個
㉜ MDF5.5mm :「横45cm × 縦35cm」 1枚
㉝ ラワン材14mm厚 :「長さ15cm」 1本
㉞ アルミバー3mm :「幅15mm、長さ6cm」 4本
㉟ アルミフレーム2020 :「長さ20cm」 2本
㊱ アルミフレーム2040 :「長さ45cm」 1本
㉛アルミバーを㉜MDFに仮固定して、
取付穴φ6を貫通させます(下画像青枠)。
アルミフレーム用(下画像赤枠)の取付穴φ6もあけます。
㉝ラワン材を接着して(下画像)、
スプレー塗装を行います。
その後、㉞アルミバーにφ6の穴をあけて面取りし、
㉟㊱アルミフレームを連結させます(下画像参照)。
(㉞アルミバーのバリ取りは重要なので丁寧に行います)
仕上げに、クロスカットスレッドに切り込みを入れて、
平行度・直角度を微調整したら完了です(下画像)。
クロスカットスレッドの平行度調整について、
詳しい方法は以下の記事で解説しています。
蓄電池取付
[使用した材]
㊲ モーターコントローラー:1個
㊳ バッテリーアダプター :1個
㊴ 18Vバッテリー :1個
ミニテーブルソー筐体の左側面に、
㊲モーターコントローラーを接着します。
そして、㊳バッテリーアダプターをビスで固定し、
電線をコントローラーに繋げたら完了です(下画像)。
性能試験
バッテリーの導入を考慮した電圧設定にしています
[騒音・振動]
鋸刃位置 最大(36mm)
10.8V (rpm) : (0m 64dB・1.4 / 1m 56dB・0.9)
14.4V (rpm) : (0m 69dB・1.8 / 1m 62dB・1.0)
18.0V (rpm) : (0m 72dB・2.2 / 1m 67dB・1.0)
鋸刃位置 半分(18mm)
10.8V (rpm) : (0m 61dB・1.6 / 1m 54dB・0.9)
14.4V (rpm) : (0m 66dB・2.1 / 1m 57dB・1.0)
18.0V (rpm) : (0m 67dB・2.3 / 1m 63dB・1.0)
使用した部品:一覧
最後に、本記事で使用した商品を下に挙げておきます。
部品選定・自作の参考にしてみて下さい。
[Amazonで購入したもの]
①アルミ丸棒φ30
回転軸の作製には以下の2つを使用しています。
(※ただし、芯を出すためには旋盤加工が必要です)
②モーターコントローラー
つまみが付いていて電圧の変更ができるので、
回転数を増減でき、騒音もある程度制御できます。
ちなみに、正転反転の切り替えも可能です。
③バッテリーアダプター
使用するバッテリーごとに製品があるため、
所有しているものに合わせて購入してください。
[Aliexpressで購入したもの]
④⑤スピンドルモーター / プーリー
「モーター / プーリー」はAmazonでも購入することができますが、
「価格」が倍ほどするので、Aliexpressでの購入がおすすめです。
(※納期は2週間程度かかります。)
アルミプーリーに関しては、丸ベルトに対応した品を購入できます。
Amazonでは、タイミングベルト用のものが多いので注意が必要です。
[楽天市場で購入したもの]
⑥ベアリング
「ベアリング10mm」は昇降用部品として使用します。
⑦チップソー
「神ノ牙」は切断時に生じる騒音を吸収する効果があるので、
静音性にこだわりたいという方にオススメです。
さらに、切削時の負荷が軽減されるチップが付いており、
より軽い手ごたえで切断できます。
[ホームセンターで購入したもの]
⑧蝶番
「蝶番」は丸鋸の昇降用部品として使用します。
少ないスペースで取付けができ、ガタが小さいのでおすすめです。
[モノタロウで購入したもの]
⑨シャフトφ10
モノタロウのシャフトは径が安定しているので、
ベアリングに確実に通せます。
SN10-200-S NBシャフト 中実軸 軸受鋼 1本 日本ベアリング(NB) 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)
⑩アルミフレーム
「アルミフレーム」はガイドフレームに使います。
金属なので反りによる精度低下を抑えられます。
SFF-204 L200 SF-20・20 SUS(エスユウエス) 長さ200mm – 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)
⑪丸ベルト
モノタロウでは、「エンドレスタイプの丸ベルト」があります。
長さは決まっていますが、接合する手間を省略できます。
5×225 バンコラン丸ベルト バンドー化学 断面径5mm – 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)
⑫セットカラー
幅が5mmのカラーはモノタロウで安定して入手できます。
M1005 セットカラー スタンダード モノタロウ S45C製 黒染め – 【通販モノタロウ】 (monotaro.com)